大島紬ができるまで


大島紬の作業工程は全部で60以上になります。

それらを大きく分けると…

図案→整経(せいけい)→絣締(かすりじめ)→染色→加工→織り

 

先述のように大島紬の特徴は糸を染めてから織る先染めです。

では、1つずつ紹介していきます!

 

図案

琳派花鳥図

 

絣(経糸と緯糸が重なってできる点)を点描のようにしてあらわします。

 

原図の構成、骨法(途切れない柄のレイアウト法)、原図からの構図取り、絣詰め、色の構成…

大島紬のスタートラインであり、骨組みとなる大切な工程です。

 

特に、大島紬は完成までに6ヶ月長くてそれ以上かかるので

出来上がった時に好まれる色や柄を予測しなければなりません。

 

また最近ではデジタル化して、パソコンでの作業が主です。

それ以前は手描きで、方眼紙に黙々と点を打っていたそうです。

 

精確な分、1点でも間違えると目立ってしまいます。

ここでは考案した柄を整経のためにデジタル化、出来上がりの反物のイメージを構成していきます。

 

 


 

 

整経

 

糸

出来たばかりの絹糸は長さがバラバラなので…

整経

ハエバタで、図案にあった織り上がりの密度(マルキ数)や風合いを考えながら

糸の種類、太さ、量などを決めます。

 

糊張り-絵

整経した糸はのりばりといって、次の工程の絣締めをする準備をします。糊張り

16~20本の糸を束ねています。

 

一本一本が一反分の長さで、それぞれ柄の一部になります。

 

 

 

 

絣締め

 

 

 

絣締め-絵

絣締め

図案を基に糊張りした糸の柄部分を織り込みます。

締めたところは染まらず、締めなかったところは染まり柄の素になります。

 

大島紬はメインの柄を繰り返しレイアウトしているので、

一反分の糸をジグザグにおり、同じ柄のパターンを作っていきます。

 

 

 

染色

 

染め

締めた糸や地糸(絵で言う背景の色)を染めますさねん染め

 

窪田織物の代表的な染め方は泥染めです。

泥染めとはテーチ木(車輪梅シャリンバイ)のタンニン酸と泥の鉄分を結合させ、化学反応を起こすことで独特の渋い色を出す染め方です。

 

テーチ木の染料で20回以上染め、泥染をし乾燥

この工程を3~4回繰り返します。

 

染色の種類についてはこちら!→  「染めの種類」

 

 

 

 

加工

 

加工

織りに入る前の糸の加工のことをいいます。あげわく

 

色差し…染料の刷り込み

目破り…色差しした後、締めた糸を解いていく

絣全解…色を差した後、締めた糸を取り除く

板巻…織り機1機分に分けた糸を、絣を揃えながら板に巻き込む

 

大島紬を作る工程で一番多いのがこの加工です。

上記以外にもたくさんあり、その分人の手や思いがかけられています。

 

織り

 

織り、検査

織り

職人さんが丹精込めて作った糸を、図案通りに織っていきます。

絣締めで出来た一点が集まり、柄にを作ります。

個人個人で織りやすい織りにくいマルキ数や柄があり、織り工さんにあった糸をお渡しします。

 

織り終わったら厳しい検査があります。

これに通って初めて本場大島紬の証、旗が描かれた証紙が貼られるのです。

 

完成!

検査に通った反物は問屋さんに渡り、着物になっていきます。

窪田織物は他にも、その着物にあった帯や小物も販売しております。

 

大島紬の着物を着たい、もっと知りたいと思った方は

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